シンガポールの与党・人民行動党(PAP)の新人国会議員による少子化に関する発言が、SNS上で批判を集めている。問題となったのは、「シンガポール人は若いうちに良く豊かな生活を経験してしまったため、子どもを持たなくなった」との趣旨の発言である。
発言後、SNSやオンライン掲示板では、「現実を理解していない」「生活費や住宅価格の問題を軽視している」といった批判が相次いだ。特に若い世代からは、「子育てを避ける最大の理由は生活コストと将来不安であり、贅沢志向ではない」との反発が目立った。
シンガポールでは出生率低下が長年の課題となっている。2025年の合計特殊出生率は1.0前後と世界でも最低水準に近く、政府は住宅支援、育児休暇拡充、現金給付などさまざまな少子化対策を実施している。
一方で、若年層を中心に「長時間労働」「教育費負担」「仕事と育児の両立難」などを理由に、結婚や出産をためらう傾向が強まっている。専門家は、価値観の変化だけでなく、都市国家特有の高コスト社会構造も背景にあると指摘している。
今回の発言は、政治家と市民の間にある生活感覚のギャップを浮き彫りにした形であり、少子化問題を巡る社会的議論が改めて活発化している。
新人議員の少子化発言に批判 「若いうちに豊かな生活を知ったから子どもを持たない」
