2026年5月7日
シンガポール雇用成長が減速 企業の採用意欲に慎重姿勢
シンガポール人材開発省(MOM)が発表した2026年第1四半期の労働市場データによると、雇用は引き続き増加したものの、伸びは前期から大きく減速した。総雇用者数は5,000人増となり、前年同期(2,300人増)を上回った一方、前四半期の1万7,700人増からは大幅に縮小した。
減速の背景には、中国正月による建設活動の鈍化など季節要因に加え、高い伸びを記録した前期からの反動があるとされる。一方で、季節調整後でも前年よりは高い水準を維持しており、労働市場全体としては底堅さを保っている。
業種別では、居住者雇用は運輸・倉庫や管理支援サービスで伸びたほか、非居住者雇用は建設分野が牽引したが、いずれも増加ペースは鈍化した。
失業率は全体として低水準を維持しつつも、わずかに上昇した。市民失業率は3.1%と前期比で小幅に上昇している。リストラ件数は約3,700件と前期並みで、主な要因は企業の再編や構造改革である。
また、企業の採用見通しには慎重さが広がっており、今後3ヵ月以内に採用を予定する企業の割合は低下している。地政学リスクや経済の不透明感が影響し、賃上げや人員拡大に対する姿勢も弱まっている。
シンガポールの雇用市場は18四半期連続で拡大を続けているが、2026年は成長の鈍化と企業の慎重姿勢が続く見通しであり、労働需給のバランスは今後も注視が必要である。

