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CBD高付加価値オフィス需要拡大、飲食・緑化施設の強化進む

 シンガポールの中心業務地区(CBD)において、高付加価値オフィスへの需要拡大を背景に、飲食(F&B)や緑化スペースの充実が進んでいる。企業がオフィス環境の質を重視する傾向が強まり、単なる執務空間から「働きやすさ」を重視した複合的な空間への転換が加速している。
 
 近年は供給の引き締まりにより、CBDのグレードAオフィス賃料も上昇傾向にあり、2026年に向けてさらなる需要拡大が見込まれている。
 
 こうした中、開発事業者はオフィスビル内外に飲食施設や共有スペース、屋上庭園などを設けることで、従業員の満足度や生産性向上を図っている。特に緑化空間は、リフレッシュや交流の場としての役割を担い、企業の人材確保・定着にも寄与するとされる。
 
 背景には、ハイブリッドワークの普及がある。出社の価値を高めるため、企業はより魅力的なオフィス環境を求めており、「質の高いオフィスへの移転(フライト・トゥ・クオリティ)」が進行している。
 
 今後のCBDは、オフィス機能だけでなく、飲食、交流、自然環境を融合した「働く・過ごす」場としての進化が求められる。こうした動きは、都市開発の方向性にも影響を与え、シンガポールのビジネス環境の競争力強化につながるとみられる。