2026年5月6日
中国マネー、シンガポール不動産へ流入加速 安全資産としての魅力強まる
シンガポールの不動産市場に、中国本土からの資金流入が拡大している。世界的な地政学リスクの高まりを背景に、安全資産としての需要が強まっていることが主因である。
シンガポール経済開発庁(EDB)によると、2025年の固定資産投資に占める中国投資家の割合は約21%に達し、前年の2.5%から大幅に上昇した。これにより、中国は米国を上回る主要投資国となり、資本の流れに変化が生じている。
背景には、規制の透明性や政治・金融面での安定性がある。特に富裕層や不動産開発業者にとって、シンガポールは資産保全と国際展開の拠点として魅力が高いとされる。また、過去に同国で事業経験を持つ中国企業が増え、制度や市場への理解が進んでいることも投資拡大を後押ししている。
一方で、政府は不動産市場の過熱を抑制するため、外国人購入者に対し60%の追加印紙税(ABSD)を課すなど厳格な規制を維持している。それでもなお、中国系資金は高級住宅やオフィス市場を中心に流入を続けている。
専門家は、世界経済の不透明感が続く限り、シンガポールへの中国資金流入は2026年も拡大が見込まれると指摘している。安全資産としての地位が、同国不動産市場の下支え要因となっている構図である。


