シンガポール建国の父として知られる故リー・クアンユー元首相による過去の結婚観に関する発言がSNS上で再び注目を集め、賛否両論を呼んでいる。話題となっているのは、「男性は博士号(PhD)を持つ女性と結婚すべきだ」といった趣旨の過去の発言で、高学歴女性との結婚が次世代の能力向上につながるとの考えを示したものだ。
この発言は、シンガポール政府が1980年代に推進した人口政策を背景としている。当時、政府は高学歴女性の未婚率上昇を問題視し、「社会的に能力の高い人同士の結婚」を奨励する政策を進めていた。1984年には、大学卒業女性の出産を奨励する「Graduate Mothers Scheme」が導入され、大きな論争を呼んだ。
今回SNS上では、「現代では受け入れられないエリート主義的発想だ」との批判がある一方、「当時の国家建設期の文脈を理解すべきだ」と擁護する意見も出ている。また、「学歴だけで人を評価すべきではない」との声も多く見られた。
一方で、一部利用者は現在のシンガポール社会でも学歴重視の傾向が根強いと指摘し、「結婚市場でも学歴や収入が重視されている」とコメントしている。教育競争の激しいシンガポール社会の価値観が、今なお議論の背景にあるとの見方もある。
リー氏はシンガポール経済発展を主導した一方、社会政策や人口政策では強い現実主義的発言でも知られていた。今回の再注目は、現代社会における学歴観や結婚観を改めて問い直すきっかけとなっている。
リー・クアンユー元首相の「高学歴女性と結婚」発言再浮上、賛否広がる
