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40代出産が増加 少子化進むシンガポールで晩産化が加速

 シンガポールで、40代の女性による出産が増加していることが明らかになり、少子化が進む中で「晩産化」の傾向が一段と強まっている。
 
 報道によれば、近年は初産・再産を問わず40代での出産件数が増加しており、キャリア志向や結婚・出産の後ろ倒しが背景にあるとされる。教育水準の向上や女性の就業機会拡大により、出産年齢は全体的に上昇傾向にある。
 
 一方で、シンガポールの出生数自体は減少を続けている。2025年の合計特殊出生率(TFR)は0.87と過去最低を記録し、出生数も約2万7,500人と過去最少となった。
 
 このような状況の中、40代出産の増加は「出生のタイミングの変化」を示すものの、少子化の流れを逆転させるほどの規模には至っていない。若年層での出産減少を補うには不十分とみられている。
 
 また、医学的には高齢出産は妊娠リスクが高まるとされ、不妊治療や体外受精(IVF)などの医療技術の利用も増えている。政府も出産支援策や育児支援を強化しているが、晩婚化や生活コストの高さなど複合的な要因が出生率低下に影響している。
 
 今回の動きは、シンガポール社会における価値観の変化を反映している。キャリアや生活基盤を優先する中で出産年齢が上がる一方、人口減少への対応という国家的課題は依然として大きい。今後は「いつ産むか」だけでなく、「どのように出生を支えるか」が重要なテーマとなる。