2026年4月15日
約20年ぶり新設へ、非営利私立病院で医療費抑制狙う
シンガポール政府が、約20年ぶりに非営利型の私立病院を新設する計画を発表し、医療費抑制と医療体制強化に向けた新たな動きとして注目されている。東部地区に用地を確保し、急性期医療を担う病院の建設を進める方針である。
今回の計画では、300〜400床規模の病院を想定しており、高齢化に伴う医療需要の増加に対応するとともに、比較的低コストな民間医療の選択肢を拡充する狙いがある。
シンガポールでは現在、公立病院が全体の約90%の患者を受け入れており、稼働率も90%以上と高水準である。一方、私立病院は費用の高さなどから利用が限定され、稼働率は約半分にとどまっている。
こうした状況を踏まえ、政府は「非営利モデル」を採用し、医療費の上限設定や固定価格での土地入札方式を導入する方針である。これにより、過度な高価格化を防ぎつつ、運営の質や効率性で競争させる仕組みを構築する。
また、従来の私立病院拡大では医療人材が公立から流出した経験があり、今回は人材確保や運営体制にも慎重な設計が求められている。
政府は2026年後半に事業者選定を行う予定であり、今後の医療提供体制に大きな影響を与える可能性がある。今回の計画は、公立と民間の役割分担を見直し、持続可能な医療システムを構築する試みとして位置付けられている。


