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政治

2026年2月4日

シンガポール、2027年1月1日から新ERP全面移行へ

 シンガポール政府は、2027年1月1日から現行の電子道路料金(ERP)システムを全面的に新システムへ移行すると発表した。これに伴い、新たな道路料金法案を準備中で、新しいERPシステムでの利用に必須のオンボードユニット(OBU)の搭載を義務化する内容が盛り込まれる見通しである。
 
 ERPは、主要道路や高速道路の混雑緩和を目的に1998年から導入されている有料通行制度であり、車両がゲートを通過する際に自動的に料金が引き落とされる仕組みとなっている。現在は旧世代のOBUを用いるが、新システムではより高精度の位置情報や動的料金設定が可能な次世代OBUが必要となる。
 
 今回の法案は、全車両に新OBUの装着を義務付ける初の法的枠組みとなる。義務化により、違反車両に対して罰金や登録制約などの制裁が科される可能性があるという。政府は、移行期間中に新OBUへの交換を促進するため、段階的な周知と支援策を講じる方針だ。
 
 新ERPシステムは、GPSや通信機能の強化により、リアルタイムで渋滞状況に応じた料金変動を反映できるようになる。これにより、交通流の平準化や混雑時間帯の分散が期待される。また、車両の種類や軸数、排気量に応じた差別料金設定も可能となる見通しで、より公平で効率的な道路利用料金制度が構築される。
 
 政府はこれまで、公聴会やパブリックコメント募集を通じて市民の意見を集めてきた。支持する立場からは「渋滞緩和や環境負荷低減につながる」との評価がある一方、懸念の声として「コスト負担の増加」「技術トラブル時の運用不安」なども挙げられている。
 
 新OBUへの交換は、車検時やレジストレーション更新時の手続きで行われる見込みで、古いOBUは段階的に使用停止となる予定だ。政府は、2026年内に国民・事業者向けの具体的な交換スケジュールや補助制度を発表するとしている。
 
 今回の全面移行は、シンガポールがデジタル技術を活用した都市交通管理の最前線に立つ取り組みの一つとされる。新たなERPシステムは、市民生活と経済活動に深く関わる制度であり、今後の詳細な運用設計と周知・支援策が注目される。

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