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社会

2026年1月29日

14歳少年に国家安全法による制限命令

 シンガポールで、14歳の少年に対して国家安全法(Internal Security Act:ISA)による制限命令が発出された。少年はオンラインゲーム内で過激組織を連想させる行為を模擬したとして、当局が公共の安全に対する潜在的なリスクと判断した。
 
 当局によると、少年は人気のオンラインプラットフォーム上で、実在する過激組織の関連と誤解されかねない設定や構図のシミュレーションを行っていた。この行為が、暴力やテロを想起させるとして、周囲の利用者や保護者から懸念が寄せられていたという。具体的な詳細は未公開だが、ゲーム内での再現が公共秩序に与える影響を重視した対応である。
 
 ISAは、国家安全や公共秩序を守るための包括的な法制度であり、恐喝・暴力扇動・過激行為の助長などが疑われる場合に適用される。今回の制限命令は、少年の行動が現実世界に与える影響を懸念した措置であり、拘留ではなく日常行動や通信・接触範囲に制約を課す形で発出された。
 
 制限を受けた少年の家族には、当局から事情説明と指導が行われたとされる。政府関係者は、ネット上の行為が現実の安全や他者の安心感に影響する可能性があることを強調し、青少年へのデジタルリテラシー教育と責任あるオンライン行動の重要性を訴えた。また、保護者や学校側にも、子どものオンライン活動に目を配り、過度な暴力模倣や危険なコンテンツとの関わりを避けるよう呼びかけている。
 
 専門家は、昨今のデジタルゲームやSNS環境が、青少年にとって刺激的な表現に触れる機会を増やしていると指摘する一方、教育的視点でのガイドライン整備や対話の促進が重要だと述べる。過激な内容の表現を単に禁止するだけでなく、背景にある歴史や倫理について理解を深めることが、健全な判断力を養ううえで不可欠との見解を示している。
 
 今回の措置は、シンガポールが公共の安全と青少年の健全な育成の両立を図るために、デジタル空間の行為にも法的枠組みを適用した事例として注目される。保護者や教育現場では、制限命令が出た背景を踏まえた指導やサポート体制の強化が求められている。

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