シンガポールで、国民と外国人が率直な対話を通じて相互理解を深め、社会統合の共通点を見いだすことを目的とした試験的プロジェクトが実施された。参加者は、日常生活や職場での経験、価値観の違いについて意見を交わし、立場を超えた理解の重要性を再認識したという。
この試験事業では、訓練を受けたファシリテーターが進行役を務め、少人数のグループに分かれて対話を行った。テーマは、地域社会での共生、公共空間でのマナー、職場での期待や不満など多岐にわたった。参加者は、自身が感じてきた戸惑いや不安を率直に共有するとともに、相手の背景や事情に耳を傾けた。
議論を通じ、多くの参加者が「家族の安定を重視する」「安全で暮らしやすい社会を望む」といった共通の価値観を持っていることを確認した。一方で、言語の壁や文化的慣習の違いが誤解を生みやすい点も浮き彫りとなり、具体的な改善策として、地域レベルでの交流機会拡充や職場での対話促進が提案された。
関係者は、このプロジェクトが単なる意見交換にとどまらず、参加者自身が固定観念を見直す契機となったと評価する。対話後には、「相手の考えを知ることで不満が和らいだ」「問題を個人ではなく構造として考えられるようになった」といった声が上がった。
政府関係者は、社会の多様化が進む中で、草の根レベルの対話が統合政策を補完する重要な役割を果たすと指摘している。今回の成果を踏まえ、今後は対象地域や参加者層を拡大し、より持続的な取り組みへ発展させることが検討されている。
国民と外国人の共通点探る試験事業、対話を通じ統合の可能性探る
