シンガポール政府は、シンガポール人労働者に適用されるローカル適格賃金(Local Qualifying Salary)制度を、次期予算案で見直す方針であることを明らかにした。タン・シーレン人材相が国会答弁で述べた。
ローカル適格賃金は、企業がシンガポール人や永住者を適切な賃金水準で雇用しているかを判断する基準で、外国人雇用枠や各種支援制度と連動している。政府はこれまで、低賃金雇用の抑制と、国民の雇用・賃金水準の底上げを目的に制度を運用してきた。
タン氏によると、今回の見直しは、労働市場の変化や賃金上昇、雇用形態の多様化を踏まえた制度の精緻化が狙いである。フルタイムだけでなくパートタイム労働者の扱いや、実態に即した賃金評価の在り方についても検討が進められているという。
政府は、企業に過度な負担を与えることなく、シンガポール人労働者の雇用の質を高めるバランスが重要だとしている。特に中小企業にとっては、人件費上昇への対応が課題となるため、移行措置や段階的な導入も視野に入れる考えである。
経済界からは、「制度の明確化は歓迎だが、運用の予見可能性が重要」との声が上がっている。一方、労働者側からは、賃金水準の実質的な引き上げにつながることへの期待が示されている。
ローカル適格賃金の見直しは、外国人雇用政策と国民保護の要となる制度改定であり、次期予算案の中でも注目度の高い項目となりそうである。
ローカル適格賃金を見直しへ、次期予算案で制度精緻化
