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政治

2025年12月22日

中国-シンガポール(重慶)戦略的コネクティビティー構想10周年

 中国・重慶とシンガポールの政府間協力プロジェクト「中国-シンガポール(重慶)戦略的コネクティビティー構想(CCI)」が2025年に10周年を迎えた。この構想は2015年11月に開始され、西部中国と東南アジアを結ぶ物流・運輸・航空・金融・ICT(情報通信技術)の強化を目的としている。CCIはシンガポールと中国の3つの旗艦共同プロジェクトの1つとされ、中国の一帯一路構想と連動した地域連携プラットフォームとして機能している。
 
 2025年12月15日には第21回中星両国間協力合同評議会(JCBC)が重慶で開催され、両国は27件の協定に署名した。CCI関連では、重慶から広西欽州(Qinzhou)港経由でシンガポールへ至る鉄道・海上輸送ルートや中央アジアへの直行貨物列車サービスが新たに発表され、国際貨物輸送ネットワークが一段と拡大した。重慶を物流のハブとして活用する動きは、地元企業にとって海外展開の機会を拡大している。
 
 CCIによる成果の一例として、航空分野では重慶とシンガポール間のフライトが週24便に達し、パンデミック前を上回る水準に回復した。輸送効率の向上は貨物と旅客の両面で地域間交流を促進しており、2024年の重慶-シンガポール間の旅客数は25万2,400人以上に上昇したという公式データもある。
 
 一方、CCIは単なる物流インフラにとどまらず、金融サービスやデジタル経済分野でも連携を強化している。例えば、シンガポールの金融機関と重慶の当局はクロスボーダー融資やキャピタルマーケット協力を推進し、両地域の資本流動を拡大している。これにより、域内企業の貿易・投資機会が増加している。
 
 重慶は内陸都市でありながら、鉄道・道路・航空を組み合わせた物流ネットワークの構築により、西部中国の経済発展と東南アジア市場へのアクセスを両立させる国際的な物流拠点への転換を進めている。CCI10周年を契機に、次の10年ではデジタル化やグリーン経済など新たな協力分野の拡大が期待されている。

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