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遠隔診療のZumVetが突然閉鎖 サブスク課金問題で混乱

 シンガポールで遠隔診療(テレ・ベット)サービスを提供していたZumVetが、事前の告知なく突然サービスを停止し、利用していたペットオーナーの間で混乱が広がっている。複数の利用者によると、アプリや公式サイトが利用できなくなった後も、月額サブスクリプション料金の請求が続いていたという。
 
 ZumVetはオンラインで獣医師による相談や診断を提供するサービスとして展開していたが、閉鎖の理由や時期について公式な説明は出されていない。利用者の一部は、予約していた相談が突然キャンセルされ、問い合わせ先も機能しない状態になったと訴えている。
 
 特に問題となっているのは課金トラブルである。ペットオーナーの中には、サービスが利用できないにもかかわらず、クレジットカードから継続的に料金が引き落とされたケースもある。返金や解約手続きを行おうとしても、アプリやサポート窓口が閉鎖されており、対応が取れない状況が続いている。
 
 消費者団体は、こうした事例について契約条件の確認やカード会社への連絡、必要に応じた消費者保護機関への相談を呼び掛けている。シンガポールではデジタルサービスのサブスクリプション利用が拡大する中、事業者の突然の撤退に対する利用者保護の在り方が課題となっている。
 
 今回のZumVetの閉鎖は、ペット医療分野におけるオンラインサービスの利便性と同時に、事業継続性や課金管理の透明性が不可欠であることを浮き彫りにした形である。