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経済

2025年12月18日

シンガポールの成長率予想、2025年は上方修正、2026年も強気に

 シンガポール金融管理局(MAS)が2025年12月17日に発表したプロフェッショナル・フォーキャスター調査(経済専門家予想)で、2025年と2026年の経済成長率予想がいずれも引き上げられた。調査は、民間エコノミスト約20人の回答を基にまとめられている。
 
 調査によると、2025年の実質国内総生産(GDP)成長率の中央値予想は4.1%と、前回調査時の約2.4%から大幅に上方修正された。この見通しは、同年11月にシンガポール貿易産業省(MTI)が「約4.0%」と予想を引き上げたのとも一致している。好調な輸出や製造業の伸び、世界的な需要回復が背景にあるとみられる。
 
 一方、2026年の成長率予想は2.3%と、前回の1.9%から引き上げられた。これは、経済活動の安定や政策の効果が継続すると見込まれる一方で、成長サイクルが成熟段階に入るとの見方も反映されている。
 
 調査回答者の多くは、2025年の経済見通しについて、人工知能(AI)関連技術を中心とした技術サイクルの強さや世界経済の堅調さを成長の下支え要因と評価した。ただし、地政学的な緊張やAIバブルの崩壊リスクなどを成長の下押しリスクとして指摘する声もあった。
 
 一方で、インフレ率の予想は比較的穏やかで、2025年のコアインフレが0.7%、総合インフレが0.9%と見込まれている。また2026年にはやや上昇して、コアインフレが1.3%、総合インフレが1.5%程度との予想が示されている。これらはいずれも金融政策の現状維持が続くとの見方と整合的であり、MASが2026年前半の政策レビューで利上げに踏み切る可能性は低いとの見方が大勢を占めている。
 
 総じて、シンガポール経済は2025年に力強い成長を遂げ、2026年も安定した成長が続くとの見方が広がっている。こうした予想の上方修正は、グローバル経済や国内の製造・輸出セクターの好調ぶりを反映している

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