2025年12月18日
シンガポール、クレジットカード未払残高が10年ぶり高水準
シンガポール統計局の最新データによると、2025年第3四半期のクレジットカード未払残高(前月の支払期限までに全額支払われず、翌月に繰り越された残高)が初めて90億7,000万Sドルに達し、2014年以来、約10年ぶりの高水準となった。
この未払残高は、カード利用者が期日までに支払いを完了できず、利息付きで翌月に繰り越された金額を示すものである。2014年から2020年にかけて増加傾向が続いた後、一時的に減少したが、2021年第2四半期の約51億4,000万Sドルから急激に増加している。
支出増加の背景として専門家は、生活費の上昇や消費行動の変化に加え、「今買って後で払う(Buy Now, Pay Later)」といった後払いサービスの普及を挙げている。これらのサービスは、消費者が実際の支払い能力を超えて支出しやすくなる傾向があり、結果としてクレジットカード未払残高の増加につながっている可能性がある。
注目すべき点として、この未払残高の増加は、クレジットカード保有者数が減少する中で発生している。2025年第3四半期の主要カード保有者数は約610万人と、2023年末以降で低水準にあり、1人当たりの未払残高が拡大している可能性が示唆されている。
経済アナリストの一部は、インフレによる生活費負担の増大が家計を圧迫し、借入に依存した消費行動を助長していると指摘する。今回のデータは、家計の財務状況に対する警鐘とも受け取れる。
なお、ここで示されている金額は未払残高であり、月間のクレジットカード総利用額とは異なる点に留意が必要である。


