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社会

2025年12月16日

飛行機内でクレカ盗難、着陸後1時間で1万Sドル不正利用

 シンガポール在住の女性が、飛行機内のロックしていないバッグからクレジットカードを盗まれ、着陸後わずか1時間で合計1万Sドル(約120万円)相当を不正に使用される被害に遭ったことが分かった。被害は2025年12月14日に発覚した。
 
 被害者は所持品を鍵付きバッグに入れず、財布を入れたバッグを座席上部の収納棚に置いたままにしていたという。フライト中に何度か席を離れたものの、盗難がいつ起きたかは分からなかった。着陸後、20件近い取引通知を見逃したまま入国手続きを済ませ、ホテルに向かった後でカードが使えないことに気付いたという。
 
 カードを発行した銀行に連絡しカードは即座にキャンセルされたものの、物理カードによる取引のため既に行われた支払いは取り消せず、銀行側は一部に対応できないと説明した。一般的にオンライン利用の場合はチャージバック手続きで返金を受けられる可能性があるものの、今回のようなケースには適用されないとしている。
 
 被害者はこの判断に不満を抱き、金融業界紛争解決センター(Financial Industry Disputes Resolution Centre、FIDReC)に仲裁を申し立てた。FIDReCは消費者と金融機関間の紛争を調停・裁定する独立機関である。調停の過程で銀行側は、被害者がバッグを施錠せずカードを身に付けていなかったことを理由に管理不十分を指摘したという。
 
 最終的に銀行は損失の約20%を負担することで合意した。被害者は自身の注意不足を認めつつも同情的な対応を求めた結果、部分的な補償を得る形となった。専門家は外出時や旅行時には貴重品を常に身に付け、バッグは施錠するなどの基本的な安全対策を徹底するよう呼び掛けている。

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