ジョホールバル(JB)の一部事業者は2025年年末にシンガポールからの客足が前年同期比でおおむね10%〜30%減少しているとして、客数回復のためプロモーションを打ち出している。通常は11〜12月が最繁忙期だが、今年は多くの店舗で集客が伸び悩んでいるという。
マレーシアの複数メディアによれば、シンガポール客の減少にはマレーシア・リンギットの対シンガポールドルでの相対的な強さが影響しているほか、予測困難な天候や交通規制の影響も指摘されている。リンギットが高いことで、買物や飲食のコストが相対的に上昇し、訪問を控える傾向が強まっているという。
KSLシティやミッドバレーサウスキーなど人気エリアの理髪店では約30%の売上減を報告しており、顧客の約9割がシンガポール人であることから影響が大きいとの声が上がっている。一方で、同じくシンガポール客に人気の飲食店やカフェでは比較的安定した売上を維持しているケースもある。
こうした状況を受け、一部の美容院や小売店は割引や特典付きプロモを実施し、シンガポールからの顧客誘致を図っている。例えばヘアサロンではカットやトリートメントの割引、物販店では購入特典付きのセールなどを打ち出しているという。
JBの事業者は、「例年の年末のように混雑していない」としつつも、週末には依然として一定の来客がある見込みとしており、プロモーション効果に期待を寄せている。シンガポール側でも、近隣国での年末旅行や他都市への旅行を計画する人が多いことから、渡航動向の変化が影響している可能性も指摘されている。
全体として、JBの商業エリアは年末の賑わいが前年よりもやや落ち着いているが、プロモーションを通じた集客努力が進むことで年末商戦の巻き返しを図る動きが続いている。
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