2025年12月11日
シンガポール含む6ヵ国、直行ルート解禁で飛行時間短縮へ
シンガポール航空(SIA)などを含む8社以上の航空会社は、今後アジア太平洋(APAC)地域の約 70路線で、従来の間接ルートではなく「より直接的な飛行経路」の利用が認められるようになる。これにより、一部の便では飛行時間の短縮や燃料効率の改善が期待されている。
この取り組みは、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランドの4ヵ国が中心となって始まった試験運用に、後からFijiとPapua New Guineaが参加し、計6ヵ国が関与する協定の一環である。
航空会社は、各便のフライトプランを従来の「空の高速道路」に縛られず、天候や混雑、最適な航路を踏まえた自由度の高い直行ルートを選べるようになる。これにより、同じ出発地・目的地間でも、これまでより短い飛行時間で運航できる可能性があるという。
利点は時間短縮だけではない。燃料消費の削減や二酸化炭素排出量の抑制にもつながるとの見方がある。環境負荷の低減は、世界的に求められている航空業界のサステナビリティ対応とも一致する。
ただし、すべての便が対象になるわけではなく、運航する航空会社、路線、空域の混雑状況などによって適用の有無は異なる。また、今回の制度変更は試験的なものであるため、今後の乗客増や安全性・運航効率のデータをもとに、正式導入の拡大が議論される見込みである。
利用者にとっては、便によってはこれまでより移動が速く、快適になる可能性がある。旅行や出張の際は、搭乗予定のフライトがこの「直行経路」対象かチェックするとよいだろう。


