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経済

2025年12月11日

2025年、チャンギ空港で気象による着陸地変更が急増

 シンガポール民間航空庁(CAAS)とシンガポール国家環境庁(NEA)は、2025年における悪天候による飛行経路の大幅な変更の増加を受け、新たな全国規模の「航空気象プログラム」を設立した。
 
 2025年1月から11月にかけて、悪天候のためにChangi Airport(チャンギ空港)で着陸地変更となった便数は55件に及び、2024年の同時期の9件から約6倍に増加した。主な原因は、温かい空気の上昇と冷たい空気の下降によって発生する「対流性の気象」であり、突発的な雷雨や急激な風の変化、乱気流などが含まれる。
 
 この状況を受け、CAASとNEAは気象予測能力の強化および気象の航空への影響を減らすため、研究開発や運用体制を総合する航空気象プログラムを立ち上げた。プログラムでは次の5分野に取り組む。
 
●雷(落雷/地表への雷の影響)
 
●乱気流(機内の安全性、乗客・乗務員への影響)
 
●対流性の気象(雷雨や突風など)
 
●地表風(離着陸時の風向・風速変化)
 
●飛行機が生み出す飛行機雲(コントレイル)
 
 特に落雷については、同国が世界でも有数の雷多発地域であることを踏まえ、過去の落雷記録に基づく密度マップの作成、電磁モデリング、リアルタイム予測アルゴリズムの導入などで安全性と運用効率の向上を目指す。滑走路の使用や離着陸のタイミング調整、地上作業員の安全確保にも寄与するという。
 
 また、乱気流の予測精度向上により、航空会社は早期に運航調整や乗客案内を行えるようになり、安全でスムーズな対応が期待される。風向・風速の急変に起因する滑走路の方向変更に対しても、地表風予測の改善で運用の混乱を抑える狙いだ。
 
 NEAとCAASは、他国の空域管理機関や気象機関と連携し、アジア太平洋地域全体での気象データ共有と共同研究にも乗り出す。これにより、地域をまたぐ航空運航の安全性と効率性を高めるとしている。

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