2025年12月9日
15歳ミャンマー人少女、電子タバコ所持で長期滞在パスを取り消し
シンガポール入国管理局(ICA)は、15歳のミャンマー国籍少女がエトミデート入りの電子タバコを所持していたとして、彼女の長期滞在ビザ(LTVP)を取り消した。少女は今後国外退去となり、再入国が禁止される。
この処分は、2025年11月14日に実施された。シンガポール内務省(MHA)とシンガポール保健科学庁(HSA)が合同で発表した。今回が、外国人の長期滞在ビザの取消処分としては初の事例である。
背景として、昨年9月1日から施行された規制強化の一環で、エトミデート含有の電子タバコを所持・使用した外国人には、パス取消・追放・再入国禁止の対象となることが明記された。
エトミデートは麻酔薬であり、本来は医療用途に限られるべき物質だが、近年「K-pods」といった形で電子タバコに混入され、乱用の問題が全国的に深刻化している。吸引によりけいれん、呼吸困難、発作、精神病などのリスクがあり、K-podsの摘発も相次いでいる。
これまでの取締りでは、輸入・販売・配布を手がけた人物に対し、禁錮刑(最大20年)と体罰(鞭打ち)という厳しい刑罰が科されてきた。
今回のように、使用者や所持者本人の長期滞在資格を取り消す対応は、再発防止を図るための強い警告と位置づけられており、規制の徹底ぶりを改めて示すものとなっている。
当局は市民に対し、電子タバコや違法医薬品の使用・所持は厳禁であり、違反者には容赦のない処分が下されると警告している。今回の事例は、外国人だけでなく、シンガポール人も含めたすべての居住者にとって、有害薬物の乱用防止と法令順守の重要性を再認識させるものだ。


