マレーシア・ジョホール州の商店主らは、この年末シーズンに入って、かつてないほどシンガポールからの買い物客の減少に直面していると語る。
通常、11〜12月はジョホール・バル(JB)では繁忙期とされ、週末にはシンガポール登録車が多く国境を越える。しかし今年は、「この年末の人出は、コロナ流行時以来最悪かもしれない」と嘆く声が多い。
複数の店舗経営者によると、シンガポール人の来訪数は例年比で約30〜40%減という。
背景として最も大きいのは、マレーシア・リンギット高(為替レートの変動)である。過去数ヵ月でリンギットは対シンガポールドルで値を上げ、シンガポール人にとって支出が割高になったとのことだ。
さらに、ジョホール市中心部では複数の道路・建築の改修工事が同時進行しており、これが交通渋滞や駐車の不便さを招き、買い物や外食を敬遠する要因となっているとの指摘もある。
こうした理由から、例年なら賑わうはずの年末シーズンにおいて、ジョホールの小売・飲食業界では売上減、小規模店舗の不安定化が懸念されている。シンガポールからのショッピング顧客に頼ってきた地元ビジネスにとっては、為替や天候、インフラ工事といった外的要因が大きな打撃となっている。
シンガポール人客激減、年末の混雑はコロナ禍以来の最低水準
