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シンガポールのMarina Square、再開発へ

 シンガポールの不動産大手 SingLand は、都心の複合施設 Marina Square(マリーナ スクエア)において、大規模な再開発を前に確固たる一歩を踏み出した。2025年12月3日、同社の間接子会社 Marina Residential Development が、同複合施設内にある約3,992㎡の土地を総額S$99.1 百万で取得する契約を4件締結した。
 
 この買収は、Marina Squareの再開発構想「シンガポール初の“ハイパー・ミックス開発”」の実現を見据えた内部再編の一環である。計画では、既存の商業施設とホテル群に加え、高層の分譲マンション(コンドミニアム)、サービスアパートメント、さらにはオフィス・ホテル・芸術施設などを含む混用タワーの建設と、6,500㎡に及ぶ公園スペースの整備が想定されている。
 
 現在のMarina Squareは、ショッピングモールとともに、ホテル Pan Pacific Singapore/Parkroyal Collection Marina Bay/Mandarin Oriental, Singapore の3棟を擁する施設である。
 
 再開発の提案自体は、2023年に Urban Redevelopment Authority(URA)から暫定許可を得ていたが、2025年後半に改訂案を改めて提出。今回の土地取得は、その改訂案に基づくものだ。現在、当局による審査が進行中である。
 
 正式な完成時期は未定であるが、同社は2026年前半に次回の進捗報告を行うとしている。
 
 SingLandの株価は、この発表を受けて12月4日午前の取引で2.9%上昇し、一株あたりS$3.20となった。
 
 Marina Squareの大胆な再開発構想は、商業・宿泊・住宅・公園を一体化した新たな都市空間の創造を目指すものであり、今後シンガポール都心部のライフスタイルと街並みに、大きな変化をもたらす可能性が高い。