2025年12月2日、Appleは、シンガポールで「Tap to Pay on iPhone」の提供を開始したと発表した。これにより、対応iPhoneを使う店舗や事業者は、追加の決済端末を導入せずとも、クレジット/デビットカードやモバイルウォレット、Apple Pay などによる非接触決済を受け付けられるようになる。
対象となるのは、iPhone XS以降で、最新のiOSが導入された端末。利用するには、決済機能に対応したiOSアプリを入れておくだけでよく、顧客は自分のコンタクトレスカードや対応デバイスをかざすだけで支払いが完了する。非接触技術(NFC)を使って決済情報は暗号化され、通信や処理はセキュアな環境で行われるため、セキュリティとプライバシーも確保されている。
初期段階で対応する決済プラットフォームには、Adyen、Fiuu、HitPay、Revolut、Stripe、Zoho の6社が挙げられ、来年には大手配車アプリ Grab も対応を予定している。対応カードブランドは、Visa、Mastercard、American Express、JCB、UnionPay など主要な国際ネットワークに及ぶ。
この導入により、屋台や個人商店、小規模店舗はもちろん、大型小売店や飲食チェーンまで、さまざまな事業者がコストを抑えて決済対応できるようになる見込みだ。特に、新型端末の導入が難しかった小規模ビジネスにとっては大きな変化となる。
一方で、顧客側も財布やカードだけでなく、スマートフォンやスマートウォッチで決済できる利便性が高まり、キャッシュレス普及のさらなる加速が期待される。シンガポール国内のキャッシュレス決済環境は、今回の対応により一層進展するものとみられる。
シンガポールで「Apple Tap to Pay on iPhone」が利用開始
