YouTrip、豪州に進出

　シンガポール発のフィンテック企業 YouTrip は、豪州へのサービス提供を開始すると発表した。これは、新型コロナウイルス禍以降、同社にとって初の新市場参入となる。今後、旅行の多いアジア太平洋地域へのさらなる拡大の足がかりと位置づけている。
 
　YouTripはこれまでシンガポールとタイでマルチ通貨のトラベルカードを提供してきた。年間ではUSドルで15Bの取引実績があるという。
 
　豪州を新たな対象とした理由は、国外への旅行者数が多く、為替に関する手数料負担を回避したいという需要が高いからだ。過去1年で約1,230万人のオーストラリア人が海外旅行を行い、レジャー目的でAドル500Bを費やしたとのYouTripのデータを示している。
 
　同社のカードは、150以上の通貨でリアルタイムのミッドマーケット為替レートを適用し、外国為替手数料をゼロに。これにより、海外での支出において最大4％の節約が可能だとしており、旅行者や国際決済を行う消費者にとって魅力的な選択肢となる。
 
　またYouTripは、既に1億1,000万USドルを超える資金調達を完了しており、技術開発および市場拡大に向けた十分な資本準備があると説明。豪州での展開は、同社がポストコロナ時代の国際キャッシュレス需要を見据える戦略の一環である。