2025年12月2日
「East Ocean Teochew Restaurant」、33年間の歴史に幕
2025年12月28日をもって、シンガポールの老舗ティオチュー/広東料理店、East Ocean Teochew Restaurantが閉店する。1992年に創業し、33年間にわたり多くの客に愛されてきた店舗である。
閉店の理由として、関係者は「経営陣および株主の高齢化」と「後継者がいないこと」を挙げている。「すべて良きことにも終わりがある」との掲示がオンラインフォーラムおよび店内で発表された。33年間にわたる支援に対する感謝を表明し、閉店前には感謝の意味を込めたメニューの特別プロモーションや旧正月用の実演菓子(ムーンケーキ、粽、年糕など)の販売も予定されている。
East Ocean は創業当初、スコッツ・ロードのショーセンターで営業を開始し、2012年には繁華街オーチャードの地元商業施設へ移転。以来、手作り点心を始めとする伝統的なティオチュー/広東料理や、月餅、ちまき、ニエンガオといった祭事用の中華菓子で知られてきた。
店側は閉店を惜しむ常連客らのため、最後の期間に特別なプロモーションを行うという。この閉店は、ローカルの伝統的中華料理店が直面する「世代交代の難しさ」と「人材・経営の継承問題」を浮き彫りにする出来事といえる。今後、同様の老舗が後継者不在により姿を消す可能性もあり、シンガポールにおける伝統飲食文化の維持には注目が集まりそうである。


