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シンガポール、来年1月1日から交通違反罰金の早期支払いで「30Sドル減額」を導入

 シンガポールにおいて、来年2026年1月1日から、新たな制度「Early Payment Scheme(EPS)」が施行され、交通違反で科されるコンポジション罰金を、支払いが通知から14日以内に済んだ場合に限り、30Sドル減額できるようになる。対象は、違反内容がコンポジション罰金として50Sドル以上となる地元登録車両。
 
 この制度導入の目的は、違反者に早期支払いを促すことで、不当・根拠薄い異議申し立て(meritless appeals)を減らし、当局の行政リソースを節約することにある。2024年には月あたり約1,000件以上の異議申し立てが処理されたが、その大半は却下されていた。
 
 適用手続きは簡潔で、対象者には違反通知とともにEPSの適格を知らせる案内が届く。通知から14日以内に支払えば減額が適用されるが、期限を過ぎれば減額は無効となり、通常どおり全額を支払う必要がある。期限の延長は認められない。
 
 対象となる違反内容は、通称イエローボックスへの停止、無許可のUターン、制限速度を最大約40km/h超過するなど、コンポジション罰金で処理される比較的軽微な交通違反。
 
 この新制度により、違反者にとっては早期対応による経済的メリットが生じると同時に、当局は膨大な異議申し立ての処理負荷を軽減し、取締りや重大違反対応などにリソースを振り向けやすくなるものとみられる。