シンガポール政府は、2026年1月30日から、同国行き航空便において「高リスク」または「望ましくない」と判断された渡航者の搭乗を禁止する新制度を導入すると発表した。これにより、入国資格のない人物や安全上の懸念があると当局が判断した人物は、出発地の空港で搭乗自体を拒否されることになる。
この制度は「搭乗禁止指令(No-Boarding Directive)」と呼ばれ、旅券やビザの不備、入国条件未達、過去の入国拒否記録、治安上の問題などを考慮し、事前に審査される仕組みである。シンガポール入国管理・関門庁は、航空会社から提出される乗客情報を基に、搭乗前の段階で対象者を特定する。
万一、航空会社や乗務員が指令に反して搭乗を認めた場合、航空会社には最大1万Sドルの罰金が科され、乗務員に対しても同額の罰金または最長6ヵ月の禁錮刑、もしくはその両方が適用される可能性がある。
搭乗を拒否された渡航者が再度渡航を希望する場合は、当局の専用窓口を通じて事前の再審査を申請する必要がある。到着後に問題が判明する従来方式から、出発前に遮断する方式へ移行することで、国境管理の実効性を高め、国内の安全確保を一層強化する狙いである。
シンガポール、「高リスク渡航者」の搭乗を来年1月30日から禁止
