2025年12月1日
シンガポール労働者の約3%が海外勤務経験者
シンガポール人材開発省(MOM)は、国内労働者のうち少なくとも6ヵ月以上、海外でフルタイム勤務した経験を持つ人が全体の約3%にとどまることを明らかにした。対象はシンガポール国民と永住者であり、海外勤務が一般的なキャリアパスとはなっていない実態が浮き彫りとなった。
海外勤務経験者は40~50代の中堅・ベテラン層に多く、初回の海外赴任は25~34歳に集中している。職種別では、管理職や専門職に偏りがあり、最高経営責任者や管理職層での経験比率が高い。収入別に見ると、月収Sドル3万以上の高所得層では海外経験者が約17%に達する一方、月収Sドル5,000~9,999の層では約3%にとどまるなど、所得階層間で大きな開きがある。
主な勤務先国は中国本土、米国、マレーシアであり、製造業や金融、情報通信などの分野での就労が目立つ。MOMは、グローバル人材育成の観点から、海外経験をキャリア形成の重要要素として位置づける考えを示している。


