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大型車向けCOEが急騰、小型車はわずかに下落

 11月19日のCOE(自動車所有権証書)入札結果で、大型車向けのカテゴリーBが前回比12.9%上昇し12万9,890Sドルとなり、2回続いた下落から一転して大幅な反発となった。他の多くの区分でプレミアムが上昇する一方、小型車向けカテゴリーAのみ0.9%下落し10万9,000Sドルとなった。
 
 カテゴリーAは小型・低出力車およびEV向けであり、前回の11万0,002Sドルからわずかに値を下げた。一方、カテゴリーBは11万5,001Sドルから12万9,890Sドルへ急伸し、反発幅が際立った。オープンカテゴリーEも3.3%上昇し12万5,001Sドルとなった。これらの証書は転売可能であるため、業者が次回入札を待たずに柔軟に車両登録できる利点がある。
 
 商用車向けカテゴリーCは7万6,000Sドルから7万6,389Sドルへ0.5%上昇し、バイク向けカテゴリーDは8,600Sドルから8,729Sドルへ1.5%上昇した。陸運庁(LTA)は、依然として高止まりするCOE価格は需要の強さを反映しているとし、購入者と販売店に慎重な入札を呼びかけた。
 
 自動車業界では、今回のカテゴリーB反発の背景として、前回入札でカテゴリーAとの価格差が縮小したことが指摘されている。Wearnes Automotiveのボルボ部門マネジングディレクターであるコリンヌ・チュア氏は、差がわずか4,999Sドルにまで縮小したことで、購入者がB区分を選択しやすくなり、今回の価格急騰につながったと説明した。
 
 また、2026年1月にEV早期導入インセンティブ(EEAI)と車両排出ガス制度(VES)の見直しが控えていることから、年内の駆け込み登録も予測され、今年残り2回の入札で価格下落は限定的とみられる。
 
 ホンダ代理店カーモーターのニコラス・ウォン氏によれば、11月5日のカテゴリーBの1万6,888Sドルもの急落が需要を喚起し、今回の入札では申請数が953件から1,514件へ約60%増加したという。
 
 シンガポール社会科学大学のウォルター・テセイラ准教授は、短期的なCOE変動への「過度の執着」を戒めつつ、今後数年は2015~2020年登録車の更新期を迎えるため供給増が見込まれ、急ぎでなければ待つ方が得策と分析した。ただし、2025年末の制度変更前には価格変動が続く可能性が高いとしている。