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同居女性の死亡を通報せず放置した男に懲役1週間

 シンガポールで、交際相手の女性が自宅で倒れているのを発見しながら通報も救急要請も行わず、そのまま遺体を放置したとして、34歳のシンガポール人男性ジェイソン・ホン・カイチー被告に懲役1週間の実刑が言い渡された。事件は2024年4月23日に発生し、女性の遺体は4日後、訪れた妹によって発見された。
 
 被告は11月17日、死因不明の死亡を警察に報告しなかった罪のほか、過去の交通違反に関連する司法妨害など計4罪状を認めた。女性はホウガンのリバーフロント・レジデンシズに一人で居住しており、被告は時折この部屋に滞在していた。
 
 被告が部屋を訪れた際、女性は寝室で毛布に包まれた状態で反応がなく、被告は吸入器を使用し胸骨圧迫も試みたが反応はなかった。被告はその後、私物を持ち出して部屋を離れ、アクセスカードを封筒に入れて靴棚に置いたまま立ち去った。検察は「被告は女性が死亡していると認識しながら、医療要請や警察通報を行わなかった」と指摘した。
 
 女性の妹は、当日被告から「連絡が取れない」とのメッセージを受け取ったが、不審には思わなかったという。4日後、妹が訪問し遺体を発見。遺体は高度に腐敗しており、司法解剖でも死因は確定できなかった。
 
 弁護側は、被告が混乱し動揺していたと主張したが、裁判官は「重大かつ不可逆的な結果を引き起こした」と述べ、妹へのメッセージも「明らかに誤解を招くもの」と指摘した。
 
 被告はさらに、2022年の無免許運転事故でタクシーに追突し、別人に罪を被せようとして虚偽供述をしたとして、司法妨害で3ヵ月、無免許運転で10日、さらに今回の件で1週間の懲役が科された。また Sドル1,000(約11万9,000円) の罰金と1年間の運転禁止処分も命じられた。
 
 判決は2024年4月27日の逮捕日に遡って適用される。