無免許運転の男が逮捕を逃れようとブキパンジャン周辺で逆走や信号無視を繰り返した事件で、シンガポール地裁は11月5日、ホー・ワイキット被告(46)に禁錮8ヵ月2週と8年の運転禁止を言い渡した。クー地裁判事は「抑止の目的を達成するため必要な量刑である」と述べ、厳罰の意義を強調した。
事件は2月15日夜に発生した。BKEで警察官が停止を命じたが、被告はこれを無視して逃走。ブキパンジャンやチョアチュカンの住宅地周辺で4回の赤信号無視、115km/hでの暴走、複数の横断歩道を減速せず通過するなど危険運転を続け、最終的にセンターディバイダーに衝突した。
被告は無免許運転、無保険運転、警察官の停止命令不履行、危険運転の4罪で起訴され、9月18日に有罪を認めた。判事は特に危険運転の量刑について「住宅地付近で極めて高い危険性を生じさせ、情状酌量の余地は少ない」と指摘した。
検察は当初4〜6週間の禁錮を求刑したが、判事は「到底理解できないほど軽い」として再検討を促し、最終的に5.5〜8ヵ月へと修正された。判事は8ヵ月を選択し「軽すぎる量刑は、逮捕回避のために他者の命を危険にさらす行為を助長する」と述べた。
被告には2006年以降、危険運転や無免許運転などの前歴が複数あり、2016年には2度の実刑、2021年にも罰金刑を受けている。今回も友人から借りた車で逃走し、およそ20分間にわたり高速道路や幹線道路を進入・離脱しながら警察を振り切ろうとした。
交通警察によれば、2024年の交通事故による死傷者数は過去5年で最多となり、致命事故の3件に1件がスピード違反に関連していた。2025年上半期も死傷者が前年同期を上回っており、当局は10月末、新たに違反検知カメラを導入すると発表している。
無免許で危険運転、逮捕を逃れようと逃走
