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経済

2025年11月18日

10月のシンガポール主要輸出が22%急増

 シンガポールの主要輸出(Nodx)が10月に前年同月比22.2%増と大幅に拡大した。エンタープライズ・シンガポール(EnterpriseSG)が11月17日に発表したもので、9月の7.0%増から大きく加速した形である。世界的な半導体および人工知能(AI)関連需要の急増が背景にある。事前にブルームバーグ調査で示された7.5%増の予測を大きく上回った。
 UOBのコー副エコノミストは、Nodxが年初来で4.1%増となり、政府が掲げる年間1〜3%増の予測を上回る可能性が高いと指摘した。政府は11月21日の第3四半期GDP確報と同時に見通しを引き上げる可能性がある。UOBは7〜9月期のGDP成長率を前年同期比4.0%と見込み、速報値2.9%を大きく上回るとしている。
 
 地域別では、香港向け輸出が66.9%増と顕著で、集積回路(IC)が93.3%増、特殊機械が848.1%増、無記名金も68.9%増と強い伸びを示した。一方、最大の輸出先である米国向けは12.5%減、日本向けも0.1%減となった。DBSのチュア上級エコノミストは、米国向けが6ヵ月連続で減少したものの、他地域向けの堅調さがこれを相殺し、世界のサプライチェーンが米国の関税環境に適応している兆しが見えると述べた。
 
 オックスフォード・エコノミクスは、AI関連電子機器需要の構造的変化により、今後数四半期でアジアの輸出は他地域を上回ると分析する。また、中国の輸出構造転換を背景に、アジアのサプライチェーン再編が進み、シンガポールの再輸出量は増加するとみられている。
 
 米国が2026年に半導体関税を適用する可能性は依然として大きな下方リスクであるが、同社はシンガポールの輸出量が2025年に6.4%増に達し、従来予測の5.3%から上方改定すると見込む。2026年についても、従来の0.4%減から1.1%増へと予測を引き上げた。

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