シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP人身売買被告の男、保釈中に保釈人である元恋人を暴行

社会

2025年11月17日

人身売買被告の男、保釈中に保釈人である元恋人を暴行

 人身売買罪で裁判を受けていたイタリア国籍のアシュラフ・アルジャウイ被告(31)が、保釈中に自身の保釈人である元恋人を暴行した疑いで保釈を取り消され、11月14日に再収監された。裁判の評決は2026年1月16日に言い渡される予定である。
 
 同被告は、再犯しないことを条件に10万Sドルの保釈金で釈放されていたが、2025年10月15日に元恋人へ暴力を振るった疑いが持たれている。検察によれば、暴行は今回で4回目であり、2024年9月の事件では被害女性が顔と首の打撲で病院に運ばれた。また別の incident では、平手打ち、殴打、首を絞められたと医師に説明していたという。
 
 検察側の主張では、同被告はシンガポール滞在中に元恋人の金銭に依存し、拒否されるとためらいなく暴力を振るったとされる。検察官は「被告は保釈人に危険を及ぼし続ける可能性が高い」として、保釈取り消しを強く求めた。
 
 アシュラフ被告は別の女性V1(実名非公表)に対する人身売買にも問われている。2021年4月、Tinderで出会ったV1に結婚を約束し、ドバイへの渡航を持ちかけた上で売春を強要した疑いである。V1は当時30~31歳のシンガポール人で、被告から富裕なカタール家系出身のパイロットであると虚偽の説明を受けていた。
 
 被告はV1をドバイに連れ出した後、「カタール入国には1万USドル(1万3,000Sドル)の資金証明が必要」と嘘をつき、金銭のない彼女に売春を迫った。検察によれば「被告は肉体的・心理的暴力で被害者を支配し、屈辱的行為を強要した」。
 
 被告はV1の写真を撮影して escort サイトに掲載し、顧客集めやホテル手配を行い、彼女の収入を毎日取り上げていたとされる。V1は2021年9月に売春をやめ、同年11月に帰国した。
 
 被害者の母親が渡航直後に警察へ通報しており、被告は2024年に正式に起訴された。今後の裁判では、人身売買と保釈違反の双方が焦点となる見通しである。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP人身売買被告の男、保釈中に保釈人である元恋人を暴行