オーストラリア国籍を取得しながらシンガポール市民籍を放棄せず、入国時にシンガポール旅券を提示しなかったとして、テオ・テックヨン・ジェローム・レナード被告(69)が11月12日、3件の違反で計2,400Sドルの罰金を科された。
裁判資料によれば、被告は2000年に豪州での就職を目的に渡航し、2003年8月にオーストラリア市民となった。その後、2005年11月に豪州旅券を取得し、2008年8月6日、同年9月4日、2009年5月6日の入国時に同旅券を提示してシンガポールの入国審査を通過していた。
シンガポールでは成人の二重国籍を認めておらず、被告は2025年10月17日にICA(入国管理局)職員により逮捕された。弁護人のいない被告は、2ヵ月ごとに眼科診療が必要な健康上の事情を訴えて寛大な処分を求めたが、ICA側は「利便性のために違反を繰り返し、両国の立場を都合よく利用した」と指摘した。
ICAは問い合わせに対し、「外国籍を取得、または外国市民としての権利行使が確認されたシンガポール市民は、市民権剥奪の対象になり得る」と説明した。被告はすでに罰金を全額納付している。
シンガポール出入国時に有効な旅券を提示しなかった場合、最大1,000Sドルの罰金または6ヵ月の禁錮、もしくは両方が科される可能性がある。
豪州籍取得後もシンガポール市民籍を放棄せず、入国時に旅券未提示で2,400Sドル罰金
