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社会

2025年11月13日

バスケットゴール倒壊死亡事故、遺族が和解

 2021年にバスケットボールのゴールが倒れ、17歳のモハメド・リドワンさんが死亡した事故をめぐり、後見人が東海岸タウン評議会(ECTC)および不動産管理会社EMサービス社を相手取って起こした民事訴訟が、2025年4月に和解したことが分かった。和解金額は非公開で、関係者間で秘密保持契約が結ばれている。
 
 リドワンさんは2021年7月26日、ベドック・サウス・ロード18番街区付近のバスケットコートでプレー中、わずか2秒間リングにぶら下がった直後にバックボードごと崩落し、頭部を強打して死亡した。裁判所の検視では、設置工事に専門技術者が関与していなかったことや、溶接部の強度不足、補強材の欠如など複数の安全上の不備が判明した。
 
 調査によると、同コートは2020年3〜4月に改修され、施工を担当したTMSアライアンス社が設置作業を遊具施工会社KAFリソーシズ社に外注していた。バスケットゴールの供給元はマレーシアのヴェロシティ・スポーツ・イクイップメント社であった。
 
 また、事故の1年以上前の2020年3月には、別のコート(ベドック・サウス33番街区)のゴールが不安定であるとの報告が上がっていたにもかかわらず、交換措置が取られていなかったことも明らかになった。ヴェロシティ社は当時、「アルミ製なので揺れは通常」と回答していたという。
 
 国家法医庁の報告では、溶接の不均一さが倒壊の一因である可能性が指摘された。アダム・ナコダ検視官は「プレーヤーに過失はなく、構造が正しく設計・施工されていれば決して起こり得ない事故だった」と述べ、関係各社に安全体制の徹底を求めた。

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