シンガポール民間航空庁(CAAS)は11月10日、2026年10月以降にシンガポールを出発する航空券に、持続可能な航空燃料(SAF)の導入費用として1〜41.60Sドルの環境付加金を課すと発表した。対象は2026年4月1日以降に販売される航空券である。
エコノミーおよびプレミアムエコノミー利用者は行き先により1〜10.40Sドル、ビジネスまたはファーストクラスでは4〜41.60Sドルが上乗せされる。航空会社は航空券上に付加金を明示する義務がある。距離に応じた4つの地理区分が設定され、東南アジアが最も低く、アメリカ方面が最高額となる。例えばエコノミーの場合、バンコク行きで1Sドル、東京行きで2.80Sドル、ロンドン行きで6.40Sドル、ニューヨーク行きで10.40Sドルとなる。
当初の想定より低額となったのは、SAF価格が下落したためである。CAASのハン局長は「燃料価格が安定してきたため、数年間はこの水準で維持する」と述べた。シンガポールは2026年時点でチャンギとセレター空港で使用する航空燃料の1%をSAFに置き換えることを目標とし、2030年には3〜5%への引き上げを目指す。
この付加金は旅客便だけでなく、貨物機やチャーター機にも適用される。徴収した資金は新設のシンガポールSAF社(SAFCo)が運用し、グリーン燃料購入に充てられる予定である。これにより、シンガポールは2050年までに国内外の航空部門の排出量実質ゼロを目指す。
2026年10月からシンガポール発便に環境燃料付加金
