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マレーシア人2人を詐欺容疑で逮捕

 シンガポール警察は11月9日、金融管理局(MAS)および法務省(MinLaw)の職員を名乗って女性から40万Sドル以上をだまし取ったとして、マレーシア国籍の男2人(22歳と38歳)を逮捕したと発表した。
 
 事件は11月7日に発覚。被害女性は「自分名義でクレジットカードが不正申請された」とする銀行職員を名乗る人物から電話を受けた。その後、電話は詐欺グループの別メンバーに転送され、今度はMASおよびMinLawの職員を装った人物が登場。「マネーロンダリング事件に関与している」と告げ、偽の職員証や文書をWhatsAppで提示して信用させたという。
 
 詐欺グループは被害者に「口座の安全確保」を名目に100万Sドルをクレジットカードへ移すよう指示。さらにそのカードを使ってムスタファ・センターで金製品約41万2,000Sドル分を購入させ、同日中に見知らぬ人物へ手渡すよう求めた。被害者は異変に気付き、直後に警察へ通報した。
 
 商業犯罪捜査局(CAD)の詐欺対策部が捜査を進め、11月8日に38歳の男をシンガポール入国時に逮捕。さらに同日、国内で同様の詐欺に関与していた22歳の男も逮捕された。両名は国際的な詐欺組織の一員とみられ、他の被害者から現金や貴重品を回収する役割を担っていたとされる。
 
 2人は11月10日に起訴される見通しで、有罪となれば最高10年の懲役または最高50万Sドルの罰金、もしくはその双方が科される可能性がある。
 
 警察は「最近、マレーシア人が詐欺組織の指示でシンガポールに入り、被害者から現金や金を回収する事例が増えている」と警告。政府機関職員が電話で送金や銀行情報の提供、非公式アプリのインストールを求めることは絶対にないと強調した。
 
 詐欺の疑いがある場合は、ScamShieldヘルプライン(1799)または警察ホットライン(1800-255-0000)に連絡するよう呼びかけている。