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日系企業・社会

2025年11月11日

伊勢丹タンピネスモール店、30年の歴史に幕

 シンガポールの伊勢丹は、タンピネスモール店を11月9日に閉店した。1996年のモール開業当初から約30年間にわたり営業を続けてきたが、賃貸契約満了に伴いその歴史に幕を下ろした。
 
 閉店当日の夜、TikTokに投稿された動画には、店内で最後の客を見送るスタッフたちの姿が映し出された。投稿者によると、最終客が店を出たのは午後9時40分ごろで、スタッフ全員が店頭で「ありがとうございました」と別れを告げたという。
 
 店の外では、多くの買い物客が足を止め、涙ながらにスタッフへ手を振り返す光景も見られた。動画の中では、店舗責任者とみられる女性スタッフが「長年のご愛顧に心から感謝いたします。皆さまにお仕えできたことは私たちの喜びです」と挨拶し、続けて「これからはショー・ハウス店、ネックス店でお会いできることを願っています」と語りかけた。最後に「またお会いしましょう。おやすみなさい。ありがとうございました」と締めくくり、ゆっくりとシャッターが降ろされる中、スタッフと客が互いに手を振り合った。
 
 伊勢丹シンガポールは、今後もスコッツ店(ショー・ハウス内)とセラングーン・セントラル(ネックス)店の2店舗で営業を継続する。長年地域に親しまれたタンピネス店の閉店は、多くの地元客にとって時代の終わりを感じさせる出来事となった。

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