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NUS学生、環境抗議で7台の車のタイヤの空気を抜き3,000Sドルの罰金

 シンガポール国立大学(NUS)の学生が、環境問題への抗議としてウッドランズ地区で7台の車のタイヤの空気を抜いたとして、3,000Sドルの罰金を科せられた。
 
 この学生、ベンジャミン・チア・イット・ルーン(24)は11月6日、器物損壊の罪を認めた。彼は気候変動や環境保護に関心を持ち、スポーツ用多目的車(SUV)の所有を「魅力的でなくする」ことを目的として行動に及んだとされる。
 
 2024年11月19日午前10時頃、チアは緑豆を購入し、ウッドランズ・ドライブ14の立体駐車場2ヵ所で複数の車のタイヤキャップを外し、バルブに緑豆を入れて再び締め直すことで空気を抜いた。さらに、車のフロントガラスに「あなたのガス消費車は地球を殺す。タイヤの空気を抜いた。怒らないで、問題はあなたではなく車だ」と書かれたビラを貼った。
 
 検察によると、1台目の車では4本すべてのタイヤを、残りの車では1~2本のタイヤを deflate したという。そのうち1人の被害者は空気を入れ直すためにガソリンスタンドへ向かう途中で縁石に車体を擦り、380Sドルの修理費を負担する被害を受けた。チアは後に自主的に同額を補償した。
 
 犯行当日に逮捕されたチアに対し、検察は「損害は軽微であり、前科もなく、自主的な弁償も行った」として罰金刑を求めた。器物損壊罪は最長2年の禁錮または罰金、あるいはその両方が科される可能性があるが、今回は罰金のみが言い渡された。
 
 NUSの広報担当者は「学外での刑事事件を含め、学生の不正行為は重大に受け止めている」と述べ、裁判結果を受けて必要な懲戒処分を行う方針を示した。