AsiaX

DBS「2040年にシンガポールGDPは1兆5,000億Sドルへ」 

 シンガポール経済は2040年までに大きく拡大し、株式市場の主要指標である海峡タイムズ指数(STI)が1万ポイントに達する可能性がある――。DBS銀行は10月22日に発表した「DBS Singapore 2040」報告書でこのように予測した。報告書によると、同国のGDPは2024年の5,470億USドル(約7,100億Sドル)から、2040年には1兆2,000億〜1兆4,000億USドル(約1兆5,6000億〜1兆8,2000億Sドル)へ倍増する見通しだ。
 
 報告書では、成長の原動力として資本蓄積、人材育成、生産性向上を挙げ、SドルはUSドルと1対1の水準に並ぶ可能性があると指摘。また、低金利と高配当利回りにより投資魅力が高まり、STIは今後15年で126%上昇し、1万ポイントに到達する余地があるとした。
 
 2025年のSTIはすでに年初来で過去最高を更新しており、10月24日時点で4,422ポイントを超えている。DBSは、海外からのパッシブ資金流入や政府の株式市場開発プログラム(EQDP)により流動性が向上すれば、今後の上昇が期待できると分析している。
 
 さらに、金融管理庁(MAS)は上場企業の企業価値向上を支援する「Value Unlock」プログラムを11月に発表予定で、政府補助金や投資家向け支援ツールなどが含まれる見込みだ。チー・ホンタット国家開発相(MAS副議長)は「責任あるリスクテイク文化の醸成が次の成長段階に不可欠」と述べた。
 
 一方、建設会社ウィー・フーは10月24日時点で週6.4%上昇の0.75Sドルを記録し、不動産部門の積極投資が株価を押し上げた。STエンジニアリングも第3四半期に49億Sドルの新規契約を獲得し、株価は週4%上昇の8.58Sドルで取引を終えた。
 
 市場関係者は、10月30日に予定される米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ決定が今週の市場動向を左右するとみている。