シンガポールでは現在、約2,000ある公営住宅(HDB)駐車場のうち85%にあたる1,600ヵ所以上で電気自動車(EV)充電器の設置が完了している。陸上交通庁(LTA)は、2025年末までにさらに150ヵ所へ充電器を追加設置すると発表した。ただし、残る約150ヵ所については技術的制約や地域住民の利用ニーズ調整のため、設置は2026年以降にずれ込む見通しである。
このため、政府が掲げていた「2025年末までに全HDB駐車場へEV充電器を設置する」という当初目標は達成が困難となった。LTAによると、今後設置される駐車場には7.4キロワット(kW)の充電ポイントを最低3基ずつ導入予定で、夜間充電向きの低速タイプが中心となる。新設予定地にはフェンベール・ロード、アンモキオ・ストリート22、ユーノス・クレセントなどが含まれている。
一方で、テンガやビダダリ、タンピネス・ウエストの一部新築HDBではまだ設置が始まっていない。住民からは利便性向上を歓迎する声がある一方、「自宅近くの駐車場にまだ設置されていない」「満車状態で充電できない」といった不満も上がっている。
現在、HDB以外の民間集合住宅でも900棟以上に3,600基超の充電器が設置されており、国内全体では2万5,000基以上のEV充電ポイントが稼働中。そのうち半数は公共利用が可能である。LTAは「今後も需要の高い地域を優先し、技術進歩に合わせて設置を拡大する」としている。
HDB駐車場の85%にEV充電器設置。2025年末までにさらに150ヵ所追加予定
