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社会

2025年10月24日

シンガポールのデング熱、7〜9月は874件 前期比35%以上減少

 シンガポールでは2025年7〜9月に報告されたデング熱感染者数が874件となり、前期(4〜6月)の1,361件から35.8%減少した。国家環境庁(NEA)が10月21日に公表した四半期データによると、今期の死者は1人で、前期の2人から減少している。
 
 同期間に確認されたデング熱クラスターは80件で、これも前期の117件から約37%減。うち72件は同期間内に閉鎖された。また、NEAが発見した蚊の繁殖場所も約3,700か所と、前期比で34%減少している。
 
 2025年1〜10月上旬までの累計感染者数は3,527件で、前年同期の1万2,476件を大幅に下回っている。NEAは、通常5〜10月の高温期にデング熱感染が増加する傾向があると指摘しているが、今年は低水準で推移している。
 
 デュークNUS医科大学の感染症専門家ウーイ・エンヨン教授は、減少傾向を「NEAの継続的な対策の成果」と評価。特に、2016年に開始された「ウォルバキア・プロジェクト」が、放出地域で感染リスクを約75%低下させていると述べた。この取り組みでは、実験室でウォルバキア菌を導入したオス蚊を放出し、交配によって卵が孵化しないようにする。
 
 ウーイ教授はまた、シンガポール国内で循環しているデングウイルス型に対する国民の免疫水準や、ウイルスの遺伝的変化が感染動向に影響を与えている可能性も指摘した。
 
 一方、近隣国では感染拡大が続いており、ハノイでは10月の長雨を背景に感染リスクが上昇、10月15日までの1週間で336件が報告された。バングラデシュでは10月6日時点で5万689件の感染と215人の死亡が確認されている。

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