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シンガポールGDP、2040年までに倍増予測 Sドルは米ドルと等価水準に

 シンガポールの国内総生産(GDP)は2040年までに現在の2倍以上に拡大し、SドルがUSドルと1対1で並ぶ可能性がある――。DBS銀行は10月22日に発表した「DBS Singapore 2040」報告書でこのように予測した。同報告書によると、2040年のGDPは1兆2,000億〜1兆4,000億USドル(約1兆5,6000億〜1兆8,2000億Sドル)に達する見通しで、2024年の5,470億USドルから大幅に成長するとしている。
 
 DBSは「資本蓄積、人材育成、生産性向上が主要な成長要因」と指摘。シンガポールは制度の強靭さと教育水準の高さに支えられ、長年にわたり国際競争力を維持してきたとした。実質GDPは2025年から2040年にかけて年平均2.3%の成長が見込まれ、成熟経済としては健全なペースであるという。
 
 また、USドルが中期的な調整局面に入る可能性があることから、Sドルの上昇余地が拡大すると分析。高付加価値製造業や金融・サービス輸出に支えられた強固な経常黒字構造、さらには「安全資産」としての資金流入がSドル高を後押しする要因になるとした。
 
 一方、株式市場については、海峡タイムズ指数(STI)が2025年に初めて4,000ポイントを突破し、年初来15%以上上昇。今後はパッシブ運用資金の流入や政府の市場活性化策により、中小型株への関心も高まるとみている。歴史的なリターン傾向が続けば、STIは2040年までに1万ポイントへ到達する可能性もあるという。
 
 報告書発表会で金融管理庁(MAS)副議長のチー・ホンタット国家開発相は、「2025年第3四半期の株式平均日次取引額は前年同期比16%増の15億3,000万Sドルに達し、2021年以来の高水準」と述べ、金融セクターの持続的な成長を強調した。