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経済

2025年10月9日

フェアプライスグループ、運転席無人の自動走行車両で物流運用を開始へ

 シンガポールのフェアプライスグループは、陸上交通庁(LTA)から運転席に安全要員を同乗させない遠隔監視型の自動運転車(AV)による公道走行の承認を受けた。供給網業務を目的とした公道での無人走行が正式に認められたのは今回が初めてである。
 
 同社は自動運転技術企業Zelos社と提携し、2024年10月から試験運用を開始。4月にLTAの遠隔運転承認を取得し、ベノイおよびジュークーンにある物流センター間(約2km)での運行を開始した。現在は、さらに距離の長いサンビュー・ロードのセンター(約5.5km)までを含むルートで試験を拡大している。8月以降は安全車両を伴う昼間走行試験を実施してきた。
 
 10月7日に締結された協定により、フェアプライスグループはZelos製自動運転車を約30台導入する予定で、現在1台保有している車両に加え、10月末までに2台を追加導入する。
 
 導入されるZelos Z10は、物流向けに設計された完全自動運転車で、最大積載量1.5トン、航続距離210kmを誇る。青果や常温保存可能なパッケージ商品などのパレット輸送に使用される予定で、ジュークーンにある同社のサプライチェーン・オペレーションセンターから遠隔で監視される。
 
 フェアプライスによれば、自動運転導入により年間27トンのCO₂排出削減が見込まれ、荷積み・荷下ろしなどの作業時間も削減されるという。
 
 フェアプライスグループCEOのビプル・チャウラ氏は、「Zelosとの協業を通じて、効率的かつ持続可能なデジタル化された供給網体制を強化できる」と述べた。
 
 Zelosにとっても今回の導入は海外初の成功事例であり、同社マネージングディレクターのテリー・チョウ氏は「自動運転によりスーパーマーケット物流コストを大幅に削減できる」と語った。
 
 シンガポール政府は今後5年以内に島内全域でAVを実用化する方針で、すでにプンゴルではGrabやComfortDelGroが中国企業WeRide、Pony.aiと連携し、自動運転シャトルの試験運行を開始している。

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