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新ハラル認証、10月からQRコード導入 食品店は2026年3月までに切替え

 シンガポールの食品店では、10月1日からQRコード付きの新しいハラル認証証明書が掲示されることとなる。これにより、事業者は認証を更新するたびに証明書を差し替える必要がなくなる。QRコードを読み取ると、店舗の認証状況や有効期限が表示され、不正利用が疑われる場合には通報も可能となる。
 
 鶏肉処理場やセントラルキッチンなど、その他のハラル認証保持者には完全デジタル形式の証明書が発行される。物理的な証明書を掲示する食品店は2026年3月までに新証明書への切り替えが義務付けられる。
 
 イスラム教理事会(Muis)は9月24日、ヒルトン・シンガポールで開催された「シンガポール・ハラル国際セミナー」で新証明書を発表した。併せて外国ハラル認証機関の承認を容易にする新オンラインポータルも公開した。2011年に導入された外国ハラル認証機関承認制度は、輸入製品の認証水準がMuis基準に合致しているかを確認する仕組みだが、従来は書類をメールで送付し数ヵ月を要していた。10月1日から稼働する新ポータルにより申請処理時間が大幅に短縮される。現在までに101の外国認証機関がMuisに承認されており、このリストも同サイトで確認できる。
 
 ファイシャル・イブラヒム代行相(イスラム教徒担当)は「シンガポールのハラル基準は数十年にわたり信頼の象徴であり、地域全体にも広がることを願う」と述べた。また、人口の約15%を占めるイスラム教徒に安定的にハラル食品を供給するため、輸入認証の信頼性が食料安全保障に直結すると強調した。