シンガポールで4月に開始された「スキルズフューチャー求職者支援制度」に対し、8月までに7,200件以上の申請があったが、承認されたのは約2,900件(40%)にとどまり、残る60%は資格要件を満たさず却下された。タン・スーレン人材相が9月23日の国会で文書答弁した。
不承認の主な理由は、①自発的失業であった、②過去の平均月収が5,000Sドルを超えていた、③過去12ヵ月のうち少なくとも6ヵ月就労していなかった、の3点である。申請者の年齢層は承認・不承認ともに26〜40歳が多数を占めた。
同制度は、リストラや病気、事故など本人の意思に反する理由で失業した低・中所得層の成人シンガポール人を対象に、最長6ヵ月間で最大6,000Sドルを給付する仕組みである。利用者はキャリアコーチングやネットワーキングへの参加など、求職活動に取り組むことが条件とされる。
タン氏は「1世帯あたり月収5,000Sドルの基準は、経済的により厳しい状況にある層を優先するため」と説明。また、直近で就労していた者を対象とすることで、急な失業からの回復を後押しすると述べた。一方、長期的に職を離れている者には別の支援策の方が適切であるとした。
また、同制度は自営業者やフリーランスには適用されない。タン氏は「契約更新の保証がないことを理解した上で契約を選択するのは本人の判断である」とし、対象外とする理由を説明した。
政府は雇用状況を注視し、制度の見直しを定期的に行う方針である。タン氏は「雇用主や労働組合と連携し、制度の認知度を高める。全ての求職者がより良い職に復帰できるよう支援を続ける」と強調した。
求職者支援制度、申請7,200件超のうち6割が却下
