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マレーシア、QRコード入国審査の試行開始

 マレーシアは9月22日、ジョホールの陸路国境においてQRコードを用いた入国審査システムの試行を開始した。これにより一部の車線でパスポート提示を行わず、事前登録したQRコードを提示するだけで通過できる仕組みが導入された。しかし初日には不具合も発生し、シンガポール人利用者の一部が専用アプリへの登録に失敗した。
 
 新システムは2026年2月28日までの試行で、ジョホール・バル中心部のスルタン・イスカンダルビルと、セカンドリンクのスルタン・アブ・バカル・コンプレックスで導入された。現在対応するのは前者で16車線、後者で12車線である。利用にはマレーシアの国家統合入管システム「MyNIISe」アプリ(通称マイナイス)への登録が必要で、外国人はパスポートをスキャンしてアカウントを作成し、QRコードを生成する。コードの有効期限は6時間とされる。
 
 一部のシンガポール人は登録時に不具合を経験した。プライベートハイヤー運転手のタン氏(32)は3回試したが登録できず、別の運転手メガラジャン氏(45)もマレーシアの通信網を利用したが読み込み画面で停止したと語った。一方で、マレーシア通信網に接続することで登録できたとの報告も複数あり、通信環境が成功可否に影響しているとみられる。
 
 実際にストレーツ・タイムズ記者は、シンガポールでマレーシア通信網にローミング接続して登録を完了し、22日午前10時半にセカンドリンクでQRコードを使って入国に成功した。入国審査では専用端末にコードをかざすだけで済み、パスポートへの押印は不要であった。
 
 マレーシア内務省は、試行を順次拡大し、翌月にはバイク車線や通勤者用ホールにも導入するとしている。また、将来的にはクアラルンプール国際空港やペナン、クチン、コタキナバルの空港にも展開する計画である。NIISeチームは公式SNSで「試行段階にあり不便をおかけしている」と謝罪し、利用者にフィードバック提出を呼びかけている。