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経済

2025年9月16日

テイスト・オーチャード、2025年末で閉鎖へ

 シンガポールの食特化型モール「テイスト・オーチャード」が、2025年12月31日をもって閉鎖されることが明らかになった。ビル所有者のOGは、マスターテナントであるHao Martとの7年半のリース契約を打ち切り、Hao Martとそのテナントに退去を求めたという。
 
 テイスト・オーチャードは開業から2年足らずで、地下や上層階にスーパーマーケットや飲食関連施設を備え、1~2階には「わらびもち かむくら」「BHCチキン」「スシロー」などが出店していた。しかし、2025年4月には地下の高級スーパー「エッチェレンテ」が営業を終了。海鮮販売や精肉コーナー、料理教室といった試みも軌道に乗らなかった。
 
 OGの広報担当者は「小売・飲食業界は経済的逆風、消費者期待の変化、複雑な規制環境により大きな転換期を迎えている。Hao Martもその影響を免れなかった」とコメントした。
 
 一方で、9月13日に現地を訪れたモザシップの取材時点では、閉鎖を示す兆候は見られず、1階のBHCチキンは午後8時でも盛況であった。しかし翌14日には同店が閉店したと報じられている。2階のスーパーは一部棚が空であったが、商品は並んでいたという。
 
 既存テナントの多くは突然の発表に驚きを隠せず、閉鎖を予期していなかったと述べている。なお、2025年7月時点で同モールの小規模テナントは販売不振や来客数の低迷に苦しんでいたと伝えられており、今回の決定は業界の厳しい現実を映し出すものといえる。

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