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社会

2025年9月10日

シンガポール国立美術館で火災

 シンガポール国立美術館で9月9日午前、オフィス区域の電気制御盤から火災が発生した。火は館内の緊急対応チームにより消火器で速やかに鎮火され、作品への被害や負傷者はなかった。原因は現在調査中である。
 
 シンガポール民防軍(SCDF)によれば、通報は午前9時05分頃に寄せられた。消防隊が到着した時には火勢はすでに収まっており、被害は小規模で限定的だった。
 
 美術館は当初、全館を閉鎖すると発表したが、安全確認を経て正午から市庁舎棟とパダン・アトリウムを一般公開した。旧最高裁判所棟は翌10日に再開予定である。広報担当者は「来館者、職員、収蔵品の安全が最優先である」と強調した。
 
 現場を通りかかった中国人観光客の劉氏(68)は、午前11時頃にSCDFの活動を目撃したが、現場は落ち着いた様子で「午後に再訪するよう案内された」と語った。
 
 国立美術館はセント・アンドリューズ通りに位置し、旧市庁舎と旧最高裁判所を改装して2015年に開館した。総面積は約6万㎡、改装費は約5億3,000万Sドルにのぼる。シンガポールおよび東南アジア近代美術の世界最大規模の公共コレクションを収蔵している。
 
 同館では現在13の展覧会と複数のワークショップやツアーが開催中であり、子ども向け企画「ビエンナーレ2025」も進行している。開催中の国際映画祭「Painting With Light」は一部上映が中止されたが、夜の回は予定通り実施される。

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