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シンガポール税関で電子タバコ1500点超押収

 シンガポール入国管理局(ICA)は9月1日から4日のわずか4日間で、空港・陸路・海路の各検問所において電子タバコ(e-ベイパライザー)および関連部品1500点以上を押収したと発表した。
 
 ICAによれば、この期間に電子タバコを所持していた旅行者の摘発件数は123件に上り、その中には検問所で自発的に廃棄した事例も含まれている。内訳は短期訪問者が約70%、残り30%はシンガポール国民、永住者、長期滞在者であった。
 
 ICAは「シンガポールにおいて電子タバコの使用は違法であり、外国人も含め全ての居住者と訪問者は法令を順守しなければならない」と強調した。政府は電子タバコを薬物問題として位置付け、2025年9月1日から罰則を強化している。再犯者には更生プログラムが課される場合もある。
 
 新たな規定では、未成年者の罰金は500Sドル、成人は700Sドルに引き上げられ、従来の300Sドルと500Sドルから大幅に増額された。長期滞在ビザ保持者は三度目の違反で在留資格を取り消され、国外退去および再入国禁止の対象となる可能性がある。
 
 保健科学庁(HSA)の統計では、2024年1月から2025年3月までに押収された電子タバコの総額は約4,100万Sドルに達し、2019年から2023年末までの押収額のほぼ5倍となった。また2025年4月から6月の間には、大規模密輸事件が19件発覚し、計9万点の電子タバコ関連製品が摘発された。
 
 さらに、合成薬物を混入した「Kポッド」と呼ばれる製品の使用者は、更生、監視、収容の対象となる。販売者は薬物乱用法に基づき、より厳しい刑罰が科される。
 
 市民は電子タバコに関する違反を、午前9時から午後9時まで稼働する専用電話(6684-2036、6684-2037)やオンライン窓口で通報できる仕組みである。